「体が喜ぶ『発酵食品』について」

私たちの食卓によく登場する醤油、味噌、酢、納豆、漬物、チーズ、ヨーグルト、キムチ、パン、ワインなど、これらはすべて発酵食品です。
この中でも、和食系の醤油、味噌、酢は調味料であり、伝統的日本の食文化を支えてきた食品と言えるでしょう。
そもそも発酵食品とは、食材に細菌・カビ・酵母などの微生物を加えて作り出された食品です。
食材と微生物を組み合わせることによって出来上がった発酵食品は、独特の風味を造り食材の保存期間を延ばし、食べることで消化を助けてくれます。
簡単に言えば、発酵食品は美味しくなったり、体が健康になったりする食品であると言えるでしょう。
そこで今回は、発酵食品の特徴についてご紹介していきます。

発酵食品を摂ることが体に良い理由

発酵食品には、腸内環境を整え消化吸収を助け、バランスの良い栄養素を摂取できるという特徴があります。
腸内には100兆個を超える細菌が、私たちの体の健康維持のために腸内で活躍してくれています。
つまり、腸内環境のバランスを整えることで、健康状態を保つことができそれをサポートしてくれるのが発酵食品なのです。
すなわち、ストレスや食生活の乱れなどで腸内環境のバランスが崩れると、免疫力が下がり体調を崩したり、肌荒れや便秘なったりといった体の不調を引き起こしかねません。
発酵食品を食べることで、腸内細菌の中の善玉菌の活動を活発にして、腸内環境のバランスが保たれますので、発酵食品を摂ることは体に良いという理由になるわけです。

発酵食品を摂取することで得られる体の変化

◇腸活に役立つ

発酵食品に含まれる乳酸菌は、腸内細菌のバランスを整える作用があることから腸の活動を促してくれています。
発酵食品の中でも、食物繊維が豊富で整腸作用の特徴を持っている漬物は、食事をするときにおすすめの食品と言えるでしょう。
また、発酵食品でもある味噌や醤油には「メラノイジン」という乳酸菌の増殖を促す成分が含まれていることから、和食を食べることは腸活にも役立っていると言えるのではないでしょうか。

◇免疫力のアップ

漬物、チーズ、ヨーグルトなどには乳酸菌が多く含まれています。
その乳酸菌は、体の免疫を活発にする作用と抗アレルギー作用を持っていますので免疫力のアップを期待することができます。

◇肌荒れ対策になる

腸内環境が乱れてしまうと、ニキビ・吹き出物ができたり、肌がカサカサになったりなどの肌荒れを引き起こす方もいます。
この症状は、腸内に腐敗物がたまってしまし、肌が一定のサイクルで新しく生まれ変わる肌の代謝のしくみである「肌のターンオーバー」の周期が、乱れてしまうからだと言われています。
発酵食品を摂取することで、腸内環境を整えると肌荒れや吹き出物対策につながることから、肌荒れなどでお悩みの方は、発酵食品を定期的に食べられることをおすすめします。

発酵食品の望ましい摂取方法

◇毎日、習慣的に食べること

発酵食品の良さを実感するには、発酵食品を毎日食べることが基本となります。
その理由は、漬物類やヨーグルトなどに含まれている乳酸菌が、摂取したらしばらく腸にとどまるということが出来ないからです。
そのため、腸内活動を活発にしておくためには、こまめに発酵食品を摂る必要があるからです。
たとえば、毎朝ヨーグルトを食べるとか、朝食に漬物やキムチを一緒に食べるという形で、発酵食品を食卓に出すことを習慣化されると定期的に乳酸菌を摂取することができるでしょう。

◇できるだけ生のまま食べる

乳酸菌のように、発酵食品に含まれる菌の中には、熱を加えると菌が死滅するものもいくつかあります。
そのため、発酵食品はできるだけ生のまま食べられることをおすすめします。
ただし、納豆に含まれる「納豆菌」の場合は、熱に強い性質を持っていますので、炊き立ての熱いごはんにのせて食べても菌は失われることはありません。

◇発酵食品を組み合わせて食べる

発酵食品を腸活により一層役立てたいときには、食材をそのまま食べるのではなく他の食品と組み合わせて食べて、その菌のパワーを増殖させることをおすすめします。
それは、発酵食品に含まれる「善玉菌」の乳酸菌やビフィズス菌は、食物繊維やオリゴ糖と組み合わせて食べると、それらが菌の餌となり活発に動き出してくれるからです。
たとえば、ヨーグルトを食べる時に、オリゴ糖が含まれるバナナを組み合わせて食べるなどは、簡単にできることなのでおすすめしたい食べ方です。
和食に欠かせない味噌汁の具材には、食物繊維が豊富なワカメなどの海藻や、きのこ類、根菜類などを入れて食べるのもおすすめです。