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主婦の知恵コラム「和食に欠かせない旨味食材『鰹節の栄養』とは」

かつお節

「和食に欠かせない旨味食材『鰹節の栄養』とは」

和食の鍋、煮物、お椀物などの味わいは、なぜかほっこりする気分にさせてくれます。
それは、出汁から感じる「旨味」の成分が、料理を美味しく食べさせてくれるからではないでしょうか。
味覚の甘味・酸味・塩味・苦味・旨味は、5つの基本味わいです。
甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦いなどは、それぞれに味わいの特徴がありますが、5番目の「旨味」だけは他の味覚とは違い、これが「旨味」だということは、なかなか言い表しにくく抽象的な表現になってしまいます。
曖昧な表現でしか伝えられない味わいなのに、「美味しい料理には、旨味がある」と感じてしまうことがあります。
そこで、今回は旨味とはなんなのか、旨味を感じる成分や食材など旨味についてご紹介していきます。

かつお節

そもそも「旨味」とは

旨味について知る前に、大前提として「旨味=美味しい」ではないことをお伝えします。
人が、何かを食べて美味しいと感じるのは、その日の体調、気分、食材や料理の見た目や味わい、どこでどのようにして食べるかなど、多くの要因に影響されていることがあります。
様々な要因が関連付けられている中で、「美味しい」と感じているわけですが、「旨味」と言う味わいは、それぞれの要因に彩りを与えているのではないでしょうか。
つまり、「旨味」が持っている栄養素が体調や気分を整えようとしたり、食材や料理に匂いや味わいを付け加えたりして、食材や料理の「美味しさ」の相乗効果を生む役割を果たしているのではないかなということです。
たとえば、ラーメンを例に取って説明しますと、ラーメンの基本はスープを作りとよく言われています。
スープの材料は、豚骨、鶏ガラ、牛骨などの肉系、昆布、鰹節、煮干し、ホタテなどの魚介系、椎茸、玉葱、長葱、トマトなどの野菜系などの材料から、そのラーメンの特徴に合わせてスープを作ることが基本と言われます。
そして、そのスープの味わいとスープを活かせる麺づくりが、ラーメンを美味しくする決め手のようです。
つまり、このスープに溶け込んでいる味わいが、ラーメンにおける「旨味」そのものと言えるのではないでしょうか。

ラーメン

「旨味成分」について

「旨味」の代表的物質に「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」などがあります。
グルタミン酸とは、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸グループのひとつで、イノシン酸やグアニル酸は「核酸」のグループに属しています。
この三大「旨味」成分の代表的食材は、「グルタミン酸」が昆布・トマト・アンチョビ・生ハム・醤油・味噌、「イノシン酸」が鰹節・煮干し・豚肉・鶏肉・牛肉、「グアニル酸」が干し椎茸(生の椎茸はグルタミン酸が豊富です)です。
人体は、日々新しい細胞を生成しており、それに必要なのが核酸であり、イノシン酸は核酸を作る成分のひとつです。
これらのことから、「旨味」は美味しいと感じさせてくれるだけでなく、私たちの体にとても役立っているというわけなのです。

うまみ成分

鰹の栄養とは

「旨味」は味わいと料理を美味しくしてくれるだけでなく、食材本来の味の深さや奥行きまでもたらしてくれると言われています。
たとえば、「旨味」を基調に料理を作ることで、塩分を控えめにしても味が調うようなことです。
すなわち、「旨味」は減塩につながり健康面においても、非常に役立っているというわけなのです。
そもそも、鰹節には体内で作れない必須アミノ酸が9種類すべて含まれており、健康維持の効果が期待されます。
また、食欲抑制の「ヒスチジン」や脂肪燃焼を促進する「リシン」も必須アミノ酸の一種で、それらのアミノ酸が含まれる鰹節を食べることで、体型維持やダイエットにも貢献してくれることが期待できるようです。
鰹節には、たんぱく質(100gあたり、77.1g含有)やビタミンD(鰹節100gあたり、6.0μg含有)、カルシウム(鰹節100gあたり、28mg含有)、疲労回復や血行促進に必要な鉄分、免疫力を高めるセレン、脳や神経組織を活性化し中性脂肪を減らす善玉(HDL)コレステロールを増やす作用のある「DHA(鰹節100gあたり、560mg含有)」など、そのほかにも多くのビタミンやミネラルが含まれています。
そのため、鰹節には出汁を摂った後でもその成分は残っており、様々な料理や食材として生かすことをおすすめします。

かつお節

まとめ

鰹節は、一番出汁をとった後でも、たんぱく質の8割以上が出汁がらに残っているそうですので、旨味と栄養がたっぷりある鰹節の出汁がらを捨てずに料理などに活用されることをおすすめします。
たとえば、出汁がらをフライパンでから煎りをして、ご飯にふりかけて食べるのも簡単に栄養補給できる使い方ではないでしょうか。
その他にも、豆腐をステーキのように焼くときに溶き卵を塗った表面にまぶすとか、ハンバーグやかき揚げなどに練りこんでみたりするのもおすすめしたい調理アイデアです。
元気な体を維持するために、「旨味」と「たんぱく質」が豊富な鰹節を、料理作りに是非とも取り入れてみませんか。

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