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エンジョイ♪湘南暮らし⑩|3月は桃の節句~ひな祭りをゆっくり楽しみましょう♪

平塚市博物館に展示されたつるし雛

3月は桃の節句~ひな祭りをゆっくり楽しみましょう♪

平塚市博物館に展示されたつるし雛
平塚市博物館に展示されたつるし雛

3月3日はひな祭り、皆さまのお宅ではひな人形を飾りましたか? 男雛と女雛の内裏雛、三人官女、五人囃子…豪華な段飾りは女の子の永遠の憧れ、大切に受け継がれたおひな様を見るとため息がでますね。おひな様のことをもっと知りたいなあと思い、蔵まえギャラリーや、平塚市立博物館で展示されていた江戸時代から昭和までのひな人形を見学してきました。

昭和16年の女雛
昭和16年の女雛

ひな祭りの始まりはいつ?

古代中国で休日と決められていたのは、正月元旦、正月七日、正月十五日、三月三日、五月五日、七月七日、九月九日…これが奈良時代に日本に伝わって「節日(せつにち)」と呼ぶようになり、「節日に神様へ特別な食べ物を供える」ことを「節供(せっく)」と言いました。その言葉が江戸時代に「節句」と書くようになり、3月3日(上巳=3月最初の巳の日)のひな祭りは女の子の節句に、5月5日(端午)は男の子の節句としてお祝いするようになりました。明治時代の初めのころまで正式な祝日でしたが、明治6年(1873)に新政府が紀元節と天長節という新しい祝日を作ったので、上巳と端午の節句は休日から外されました。現在は、5月5日は子供の日の祝日になっていますが、3月3日は祝日ではなくて残念ですね。でもひな祭りは廃れることなく、女の子が生まれたお祝いをするひな祭りは現在まで続いています。

江戸時代の享保雛
江戸時代の享保雛

ひな祭りは4月3日だった?!

 今私たちが使っているカレンダーは太陽の動きによる太陽暦ですね。明治以前は月の満ち欠けによる太陰暦(旧暦)で、現在のカレンダーより約1ヶ月遅れていました。例えば旧暦の7月7日は、現在の8月7日ころになります。そう!現代では梅雨まっただ中の七夕も、本来は梅雨が明けて星空が望める季節。織り姫と彦星も恐らく毎年会えたことでしょう。ひな祭りも旧暦3月3日だと、今なら4月3日ころになります。そして昭和30年代くらいまでは、実際に4月3日をひな祭りとしてお祝いしていた地方もたくさんあったそうです。

昭和2年のひな人形
昭和2年のひな人形

ひな人形の移り変わり

 平安時代、宮中では上巳の節句に、身代わりに人形を神や草で作り、罪やケガレをはらう
ために川に流しました。また貴族の女の子の間ではすでに「ひいな」と呼ぶ人形遊びがあり、それらが融合してひな祭りに発展したそうです。江戸時代には町人の間でも女の子が生まれた初節句にはひな人形を飾るのが流行しました。ひな人形は女の子を災いから守るお守りとして大切にされたのです。その思いは今も変わらないですね。

御殿の中に内裏雛と三人官女を飾った「御殿飾り」(昭和初期)
御殿の中に内裏雛と三人官女を飾った「御殿飾り」(昭和初期)

伝統的なひな祭りの祝い方

 昔は長女が生まれると、初節句には嫁の実家からひな人形が贈られ、赤白緑の菱餅やお頭つきの魚、寿司などご馳走を振る舞ってお祝いしました。仲人、親戚、近所の人たちなどからも人形が贈られ、ひな壇の周りを飾ったそうです。また飾られたひな人形を見に、それぞれの家を訪ねたりしました。次女から次は大きなお祝いはせず、実家から小さな人形が一つ贈られるくらいでした。ひな祭りが4月3日だったころは、ちょうど桃や桜が満開の季節でした。女の子は重箱にご馳走を詰めてもらい、ひな人形を持って友達同士で連れ立ってお花見に行き、お人形を見せ合ったり、ご馳走を交換したりして遊んだそうです。かわいらしい光景が目に浮かびますね。

雛人形のほかに、親戚や知人から贈られた人形も一緒に飾られました(昭和初期)

雛人形のほかに、親戚や知人から贈られた人形も一緒に飾られました(昭和初期)

藤沢のひなめぐり

 ひな飾りを見に歩いた時代のように、ひな祭りのころに毎年開催される人気イベントが「藤沢のひなめぐり」です。藤沢市内の古民家や重要文化財の建物に、古いおひな様を飾ります。今年は例年以上に会場も増やし、メイン会場の蔵まえギャラリーでは大正時代から昭和の中頃までの11台のひな人形を飾りました。残念ながらコロナウィルス対策で大勢の人が集まるイベントは中止と決まり、「藤沢のひなめぐり2020」も規模を縮小して数カ所のみの展示となったそうです。早くから展示されていたいくつかは見ることができましたのでご紹介しますね。「藤沢のひなめぐり」は来年もきっと開催されると思うので、楽しみにお待ち下さいね♪

蔵まえギャラリー
蔵まえギャラリーは昭和4年に建てられた米穀商の店蔵です。「藤沢のひなめぐり2020」のメイン会場として、大正時代から昭和30年代中頃までのおひな様11台が飾られました。来年の「藤沢のひなめぐり」ではぜひボランティアとして参加しませんか?(蔵まえギャラリー)

玉屋本店
創業明治45年の玉屋本店ではお抹茶と甘味のセット(500円)をいただきながら昭和のおひな様を鑑賞できました。名物のり羊羹を召し上がれ♪(玉屋本店)

藤沢宿交流館
「百徳着物」が展示されていました。布が貴重だった時代に、長寿の人、健康な人、徳のある人などから端布をもらい、その徳に授かり大勢の人に守られ健やかに育ちますようにと願いを込めて幼子の着物に仕立てたそうです。(ふじさわ宿交流館展示)

おひな様はいつ仕舞う?

 「ひな祭りが過ぎたら、おひな様をすぐに仕舞わないと結婚が遅くなる」と言うのは迷信だそう。行事が済んだきちんと片付けなさいというしつけのためではと言われています。おひな様を仕舞うのは3月4日にこだわらず、晴れて空気が乾いた日が良いそうです。また今でも4月3日にひな祭りをする地方もありますし、せっかく飾ったおひな様ですから、慌ててしまわないでゆっくり楽しんでもいいですね♪

参考資料

「女の子と男の子のお雛さま~桃と端午の節句人形~」平塚市博物館編集・発行

★平塚市博物館

平塚市浅間町12-41 
電話 0463-33-5111 
月曜休館
※雛人形の展示は終了
※3月15日まで臨時休館

★蔵まえギャラリー

藤沢市藤沢630-1 
電話 0466-25-9909
※雛人形の展示は終了

★玉屋本店

藤沢市片瀬海岸1-9-10
電話 0466-22-4057
営業時間9時~18時 
木曜定休
※雛人形の展示は終了

★ふじさわ宿交流館

藤沢市西富1-3-3 
電話 0466-55-2255
9時~17時
月曜休館
※ひな祭りの展示は終了

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