「キャンプ料理が楽しくなるダッチオーブンの使い方」

キャンプを始めてしばらくすると、欲しくなるのが「ダッチオーブン」ではないでしょうか。
それは、キャンプの楽しみの一つに料理作りがあり、ダッチオーブンはオーブン調理をはじめ、煮物、蒸し物、揚げ物と、多種類の料理作りができる魔法の鍋だからです。
重くて扱いにくそうな感じがするかもしれませんが、キャンプ料理を作るにはとても重宝な料理器具です。
そこで、今回はダッチオーブンとは、どういう素材で出来ているものなのか、どのような料理が楽しめるのかをご紹介していきます。

ダッチオーブンの基本を知る

ダッチオーブンとは、もともとアメリカで使われていた鉄製の調理道具のことで、
分厚い鉄が素材であることから食材に熱を伝えやすいという特長を持っています。また、圧力鍋のように隙間なく蓋を閉じられることから、煮る・蒸す・炒める・焼くなど、いろいろな料理作りに活用できます。
また、蓋には「フチ」が付いており、蓋に炭を乗せて上からも加熱することができることから、まさにオーブン料理を作ることも出来るわけです。
抜群の熱効率によって煮込み料理の肉も野菜も柔らかくなり、味付けや風味が食材に染み渡ります。
ステーキやローストチキンも均一に火が通り、肉本来の旨味とふっくらとした肉感が失われません。
つまり、ダッチオーブンで料理すると普通の調理道具よりも、ワンランク上の出来栄えになるというわけなのです。

◇ダッチオーブンを使う時の注意点（使用前・使用後）

ダッチオーブンを購入したら、使用前にシーズニングという使い始めの慣らし作業を行います。
その方法は、ダッチオーブンに塗られているさび止めオイルを洗い落とし、改めて油を染み込ませて鍋全体をコーティングします。
また、使用後のダッチオーブンは、料理の残りや汚れをキッチンペーパーなどで取り除き、冷たい水は割れる原因にもなりますので熱湯を注ぎ洗っていきます。鍋底の汚れなどは金属ヘラですと鍋表面を傷つけますので、木製ヘラで撫でるように落としましょう。
最後に、再びお湯を注いできれいに流したら、水分を拭いて本体、蓋ともに火にかけて完全に水分を飛ばし、薄く油（オリーブオイルなど）を塗って、余分な油を拭き取って火にかけて油分を完全にとばして完了です。

ダッチオーブンのラインナップ（素材の違い）

ダッチオーブンには、「鋳鉄製」「黒皮鉄板製」「ステンレス製」に大きく分けられていますが、西部劇映画でおなじみのダッチオーブンは「鋳鉄」製です。
鋳鉄製は、蓄熱性が高いことから保温性にとても優れており、食材にまんべんなく火を通すことが可能です。
そのような料理をするには抜群の性能を持つ「鋳鉄製ダッチオーブン」ですが、料理後の熱いままのダッチオーブンに水をかけると割れことがあったり、洗剤を使用して洗えなかったりといった注意すべきこともあります。
ダッチオーブンを使い始めるにあたって、注意すべき点が懸念材料となる方もいらっしゃると思います。
最近では、こうした懸念を解消すする「黒皮鉄板製」や「ステンレス製」のダッチオーブンモデルも誕生しています。

◇料理とダッチオーブンのサイズ

ダッチオーブンのサイズは、8インチ、10インチ、12インチが主流なサイズですが、1～2人の料理用なら8インチ、4人前後で使うなら10インチ、5～6人前後なら12インチを選ぶと良いでしょう。
10インチは、小さいチキンなら丸ごと調理できるサイズですが、ソロキャンプですと丸ごと1羽のチキンは食べきれないこともありますので、最初に購入するなら8インチのダッチオーブンをおすすめします。
基本的に、大は小を兼ねるというから、大きいサイズの12インチを選べばいいと思われるかもしれませんが、ダッチオーブンの場合、容量が大きくなると重量もかなり増えます。
コールマン ダッチオーブンですと、8インチで3.5キロ、10インチで6キロ、12インチで10キロの重量があります。
これだけの重量となりますと、駐車場からキャンプの設営地まで持ち運びが大変になりますので、利用人数分のサイズを買った方が得策かもしれません。

ダッチオーブンで作る代表的料理

焼く：丸ごと1羽のローストチキン料理は、キャンプ料理の王道メニューです。
煮る：材料を全部入れて火にかけるだけの煮込み料理のカレーやポトフ、パエリアやアクアパッツァなど手軽な料理メニューです。
炒める：肉や野菜を炒めながら、料理で使わない蓋を使ってパンケーキや目玉焼きなどを作ることも可能です。
揚げる：自宅で鶏の唐揚げや串揚げの仕込みをして、キャンプ場で熱々の揚げ物をするのもキャンプの食事が盛り上がります。
燻す：ダッチオーブンでも、きちんと燻製を作ることができますので、チーズや蒲鉾などを持参し燻製づくりを楽しみましょう。