「5G(第5世代通信システム）の普及で、何が変わるの？」

2020年3月から商用サービスが始まった、高速・大容量が特徴の次世代通信規格5G通信。
超高速で多数同時接続が可能という特徴は、あらゆるものがインターネットとつながる「IoT時代」の到来の幕開けとなっています。
当面、5Gエリアは主要交通施設や観光スポットが対応エリアとなっており、このエリアが拡充整備されるには1～2年は必要とみられています。
5Gのエリアが整備されると、私たちの生活のインフラを始め、社会のあちこちで5Gを活用したサービスが始まるようです。
今回は、その5Gについての普及で、私たちの社会がどのように変化していくのかをご紹介していきます。

そもそも、5Gってなんだろう（5Gの特徴について）

携帯電波の通信規格は現在4Gですが、5Gになると超高速（多くのデータを素早く送信できる）・超低遅延（データ通信の遅延が少なくなる）・多数同時接続（多くの端末に同時接続）されて、それぞれの性能が現状の10倍以上になると言われています。
すなわち、超高速で高画質の動画が送信でき、併せてデータ通信の遅延が少なくなることでタイムラグのないリアルな映像配信が実現するということです。
そして、多くの端末に同時接続が可能になることでIoT化やICT化が進みますので、自動運転車の発達、遠隔医療、スマート農業など、様々なサービス新産業が実現できるようになります。

◇数値で見る5G通信の特徴

・超高速

現在主流の4Gは、最大1Gbps（1秒で1ギガビットを送信）の通信速度が、5Gでは10Gbpsという高速送信を目指しています。

・超低遅延

5Gでは無線区間の伝送遅延1ms（1秒の1000分の1）が想定されており、この数値は遅延をほぼ体感的に感じることがなくなるスピードです。
この超低遅延によって、瞬時の判断が必要な車の自動運転や遠隔治療などの分野での活用が大いに期待されています。

・多数同時接続

5Gでは、1キロ平方メートルで100万台の接続機器数が想定されています。
それは、現行の4Gが10万台でしたので、接続台数に余裕がかなりあることから、様々な機器をインターネット上で繋ぐことが出来ます。

5G通信で、予想される技術革新と新サービスとは

5Gで実現可能と予想されるサービスや、産業として期待される事柄を紹介します。

・車の自動運転サービス

5GによってIoTが普及し、様々なセンサーがインターネットに繋がり、信号や他車の走行状況、発信、停止などの情報を遅延なく受信することが可能となります。すなわち、リアルタイムに多くの情報を処理し、AIによって適切な判断を行う技術が確立すれば、車の自動運転の安全性が確立できることに繋がり、車の自動運転の実現がみえてきます。

・超リアルYR体験

大容量・高速通信により、4Kや8Kといった超高画質のVR体験がリアルタイムで実現されます。
映像をリアルタイムで送受信可能になるということは、例えば自宅にいながらスポーツ観戦を選手たちの側にいるような臨場感を持って味わうことができるでしょう。
このサービスをビジネス利用すると、遠隔地にいながらでもその映像を送り合い、あたかも会議室にいるような場面を作ることも可能となり、バーチャル会議が違和感なくスムーズに行えるようになります。

・遠隔手術

5Gによって、遠隔治療や遠隔手術が遅延なく行われる環境とロボット技術の発展で、最先端の治療が行われる可能性が出てきます。
また、インターネットで世界とつながっていることで、今まで海外でしか受けられなかった手術を、日本に居ながらにして受けられることも夢でなくなるかもしれません。

・遠隔介護

遠隔手術と同じように、車椅子の操作や介護ロボットの操作などを安全に確立する事ができるようになります。
現在は、通信スピードが遅延することもあり、車椅子が止まるべきところで止まらなかったり壁にぶつかったりしてしまうこともあり、安全性に関しての問題点が解決されていくでしょう。

・警備体制の強化

5Gによって、4Kの超高精細な映像を遅延なく確認することができるため、警備体制の強化につながります。
映像が精細なことから、危険人物の判定もしやすくなり人物の特定に役立つ時代を迎えることでしょう。